先日、新聞に入っていた「東京リビング」に医師・作家の鎌田實さんが「がんばらない介護生活」について話しておられました。
そして、こんな言葉が印象に残ります。
十分 がんばってきたけれど思うように成果がなく悩んでいる時、激励の「がんばれ」が、その人を傷つけることがあります。「がんばれ」の言葉には、「今のままじゃダメだ、もっとがんばれ」と、その人のがんばりを否定する響きがあるからです。本当は、「よくがんばっているね」と、その人のがんばりを認めることが大切だと言います。
母を介護するなかで経験した様々な介護の知識をご紹介します。
先日、新聞に入っていた「東京リビング」に医師・作家の鎌田實さんが「がんばらない介護生活」について話しておられました。
そして、こんな言葉が印象に残ります。
十分 がんばってきたけれど思うように成果がなく悩んでいる時、激励の「がんばれ」が、その人を傷つけることがあります。「がんばれ」の言葉には、「今のままじゃダメだ、もっとがんばれ」と、その人のがんばりを否定する響きがあるからです。本当は、「よくがんばっているね」と、その人のがんばりを認めることが大切だと言います。
先日、朝のNHKラジオで介護の専門家による「快・不快の法則」の話を聴きました。
人は、快・不快の法則で生きていると言います。
赤ちゃんの場合、快の時は笑っているか寝ています。
不快の時はぐずったり泣いたりします。
ぐずったり泣いている時は、どうして不快なのか考えます。
お腹が空いたのか、おしめが濡れているのか、具合が悪いのか。
母は介護付有料老人ホームに1ヶ月半入所しました。
そこは、24時間看護師常駐、クリニック併設と、医療に特化した施設でした。
尿路感染症がやっと回復したばかりで、入院していた病院から紹介された施設でした。入所時には褥瘡があり、その手当をしてもらうことが必要だったのです。
もう30年以上も前になりますが、知人の方から亡くなる前の「仲良し時間」の話を聞いたことがあります。
病気で亡くなる前に、病状が落ち着いて話ができる状態になることがあり、その時に、シスターが病室に入り、その人の話を聞くというのです。今まで生きてきて誰にも話すことができなかったこと、懺悔など、そうした話をして安らかに旅立つというのです。
在宅介護している方にお勧めしたいサービスが「ショートステイ」です。
日帰り通所介護サービスの「デイケア」に対し、「ショートステイ」は短期的に施設に入所して介護・支援が受けられるサービスです。
在宅介護の場合、介護する方への負担は大きなものになります。
外出しなければならない用事ができた時、介護する方が疲れていたり体調が悪い時、たまには息抜きしたい時などの利用をお勧めします。
先日ラジオから介護相談の話が流れてきました。
お母さまの介護をしている際、お母さまは娘さんに辛く当たるというのです。
娘さん曰く「周りの人には優しいのですが、私に対しては怒るのです。」
すると回答者の方は、「それはお母さんが甘えて、当たっているのです。お母さんにとって我儘で当たる人がいるという事は幸せなことだと思います。」と言っていました。
母が認知症になり、近所のデイケアに通いながら5年間を家で過ごしました。姉と妹と私が母と同居していたので、3人で力を合わせて介護しながら過ごしていました。
具体的にはこんな風に分担していました。
母は認知症になってから陽気になりました。
よく笑うようになり、歌も歌うようになりました。
以前から誰とでも世間話ができ、区報を見ては様々な会にも参加する社交性はありましたが、歌は絶対に歌いませんでした。
認知症にも様々な症状があり、鬱になったり、狂暴になったりと言われていますが、母の場合は明るくなったのです。
また、家にひとりで居るより外に出て大勢の人の中に入っていくことが好きなので、週4日もデイケアに通っていました。喜んで通ってくれるので家族もとても助かっていました。
母が認知症になってから、日々の出来事の中で対応に困ることが多々ありました。
最初は「認知症」への理解がなく普通に対応していましたが、後になるとこうすれば良かったと思うことばかりです。そこで、認知症の方への対応で大切なポイントを挙げます。
<役割を大切にする>
本人は何ができるかを考え、できることをお願いすることが大切です。そうすれば自分も役に立っているという実感が持て自信にも繋がります。
そして、感謝の気持ちを伝えることも大切です。できたことを感謝して褒めることでお互いの信頼感を深めることができます。
母は結婚前まで銀行に勤めていたので、そろばんが得意で、暗算も早かったです。毎日そろばんをはじいて家計簿も付けていました。
葛飾区では毎年珠算大会が開催され、母は「シニアの部」に参加していました。年に一度の開催ですが参加する人たちは常連が多く、珠算大会に行くと知り合いの人たちに囲まれ親しげに話をしていました。
2002年、76歳ごろから参加し、「金賞」「銀賞」「満点賞」と毎年受賞していたので、家には珠算大会のトロフィーがたくさん飾ってあります。
80歳も過ぎ、物忘れもひどくなり、料理で火傷したり、家計簿の計算が合わずずっと計算しているなど、母はいつもできていた事がだんだんできなくなっていました。
それに応じ、料理は家族が全面的に行い母は朝の味噌汁作りだけになり、家計簿も家族が各自でつけるようになり、母の負担を軽くしていきました。
それは歳だから仕方ないと思っていましたが、ある出来事で「認知症」を意識することとなりました。
それは、妹の娘、母にとっては孫娘の成人のお祝い会でのことです。
特別養護施設には、「従来型」と「ユニット型」があります。
●従来型は、4人部屋(多床室)が主流ですが個室もあります。
●ユニット型は、全室個室で10人位の少人数グループに分かれ介護されます。ユニット毎に共有スペースを設け、ユニット毎の介護なので、入居者に合わせたケアがしやすいというメリットがあります。
特養は入居一時金はかかりません。月々かかる「住居費」と「食費」ですが、「住居費」については、「ユニット型個室」「従来型個室」「多床室」に分かれています。
母は病院の紹介で介護付有料老人施設に入所しましたが、家から遠く利用料金も高いので、家の近くの特別養護施設に移りたいと思っていました。
特別養護施設は地方自治体や社会福祉法人が運営する施設で、略称の「特養」と呼ばれています。介護保険の適用により自己負担額を抑えることができ、長期間の入所も可能なので、希望者が多く、なかなか入所できないと聞きます。
特別養護施設に入所するには次の条件があります。
母が尿路感染症で高熱を出し入院した時、いろいろ相談にのってくれたのが「相談員」の看護師さんでした。入院中に起こる様々な問題を患者や家族と一緒になって考え、解決のための援助を行う医療ソーシャルワーカーの方でした。
医師は病気を見ているので、検査結果を見て急に退院だとか、退院延期だとか言います。
母は寝たきりの状態になり、自宅介護を始めましたが1週間で高熱を出し入院するなど、とても自宅で介護できる状態ではありませんでした。入院しても抗生剤を投与すると安定し、止めるとまた熱を出すという状態が続きました。
そんなある日、急に「明日退院です。」と言われ大変驚きました。
退院後、行くところがなく、愕然としました。
母が救急搬送され総合病院に入院した際、病院から「限度額適用認定証」の交付を受けるよう言われました。入院など医療費が高額になる場合、事前に「限度額適用認定証」の交付を受け、医療機関に提出すれば、窓口での支払いが一定額まで抑えられると言います。
私は、早速翌日 区役所に申請に行き、交付された「限度額適用認定証」を病院に持っていきました。
寝たきりになった母を自宅に引き取り在宅介護をはじめましたが、6日目に尿路感染症で高熱を出し、JRの隣駅前にある総合病院に救急搬送されました。
尿路感染症とは、尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に細菌やウィルスが侵入し炎症を起こす病気で、寝たきりの高齢者が発熱を起こす原因のひとつとして、多くみられるそうです。
寝たきりなので排泄後オムツ交換まで時間がかかるため発症しやすいのだと思います。
1ヶ月余りの入院で、歩行、食事、排泄が自分でできなくなり、リハビリ病院に転院した母を、自宅に連れ帰りました。
急な決断で、急遽受け入れ体制を作り、ケアマネージャーさん、ヘルパーさんなど皆さんの力を借りて精一杯介護しましたが、6日目の夜に高熱を出し、為すすべもなく、救急車を呼んでしまいました。
あえなく在宅介護は6日間で終わってしまったのです。
尿路感染症が再発して高熱を出したようで、今回は家からも近いJRの隣駅にある総合病院に緊急入院しました。 “6日間の在宅介護” の続きを読む
母は入院中、食事はペースト食でした。
家で生活していた頃は何でも食べ、入院直後も食事は普通食で完食していました。ところが 2ヶ月入院した後には、誤嚥を警戒したのかペースト状の食事で介助が必要になってしまったのです。
自宅に帰ってきた時、卵入りのおじやを作りましたが、あまり食べません。次に、白米だけでお粥を作りましたが、これもあまり食べません。
在宅介護を始めてから、ケアマネージャーさんが訪問入浴サービスを週1回で計画してくれました。
訪問入浴サービスは看護師を含む3人のスタッフがチームとなり、専用入浴車で自宅を訪問し、室内に浴槽を設置します。
入浴前には看護師さんにより血圧・体温測定などバイタルチェックを行い、熱があるなど体調の悪い時は、入浴ではなく清拭になるそうです。
在宅介護を始めてから毎日、ヘルパーさんに来ていただいています。
ヘルパーさんは身体介護などのお世話はしてくれますが、褥瘡(床ずれ)の手当てなど看護行為は行いません。そこで、母の褥瘡の手当ては当初、家族が行っていました。
洗面器に水を入れ、足のかかとにできた褥瘡を洗い、薬を付け、ガーゼをテープで留めます。 腰(仙骨)にできた褥瘡は、排泄介助の際に私が薬を付けます。
私は母の褥瘡を手当てする度、こんなひどい傷を私たち家族が手当てして良いものなのか疑問でした。普通なら病院に行くような状態なのに・・・・